Mastercard 2023年第2四半期決算
今回は、大手決済会社Mastercardの2023年第2四半期決算について深掘りしていきます。この記事では、同社の最新の財務結果を詳しく解説し、その結果が示す意味を考察します。
決済業界の巨人、Mastercard
Mastercardは、信用カードおよびデビットカードのブランドを提供する大手決済処理会社です(VISA同様に説明の必要もないぐらいですが・・)
同社の全世界でのカード発行数は2023年6月30日現在でなんと32億枚に達しており、この数値は、Mastercardが世界的な決済インフラの重要な一部であることを証明しています。
クレジットカードの業界はVISAとMastercarに寡占化されている業界です。
ちなみに私はVISAもポートフォリで大きな構成比となっています
2023年第2四半期の財務結果
Mastercardの第2四半期の財務結果は、同社が強力な成長を続けていることを示しています。
純収益は前年同期比14%増の$4,685百万で、通貨ニュートラルベースでは15%増となりました。特に注目すべきは、決済ネットワークと付加価値サービス・ソリューションの部分での売上増です。
決済ネットワークの純収益は前年同期比13%増の$3,561百万で、その成長の大部分は総ドルボリューム、クロスボーダーボリューム、そしてスイッチトランザクションの増加によるものです。また、同社のリベートとインセンティブプログラムの拡大も、この成長を支える役割を果たしています。
一方、付加価値サービスとソリューションの純収益は前年同期比16%増の$1,124百万となり、ここではサイバーセキュリティとインテリジェンスソリューションの需要増、そしてコンサルティングとマーケティングサービスへの強い需要が寄与しています。
- 収入:前年同期比 14%増の 62.69 億ドル(市場予想は 61.68 億ドル)
- 1株当たり利益(一部項目を除く):2.89 ドル(市場予想は 2.82 ドル)
- 純利益(一部項目を除く):前年同期比 8%増の 27.00 億ドル(市場予想は 26.97 億ドル)
- 営業利益率:58.3%(市場予想は 58.0%)
- 営業費用(調整後):前年同期比 13%増の 25.9 億ドル(市場予想は 25.9 億ドル)
Mastercardの力強い成長を支える要因
Mastercardの力強い成長を支える要因は何でしょうか? 筆者の考察では、以下の要素が主な要因として挙げられます。
- デジタル決済の増加:
世界中でキャッシュレス決済の利用が広がっています。Mastercardの決済ネットワークは、この大きなトレンドをうまく活用していると言えるでしょう。 - 付加価値サービスの拡充
Mastercardは、単なる決済会社から、多様なサービスとソリューションを提供するプラットフォームへと進化しています。この進化は、付加価値サービス部門の売上増につながっています。 - 戦略的なパートナーシップ
Mastercardは、新規および更新契約を通じて、顧客に対するリベートやインセンティブを増やしています。これにより、同社はクライアントとの関係を強化し、売上を増加させることができています。
コロナ禍で不調だった旅行需要も戻ってきているようだし、デジタル化という大きな波にも乗っかってしばらくは盤石な業界だと思っています
Mastercardの今後の展望
成長要因の考察
決済ネットワークの拡大
ネットワークの純収益は、総ドルボリュームの12%増、クロスボーダーボリュームの24%増、スイッチトランザクションの17%増を背景に、通貨ニュートラルベースで14%増加しました。
これは、Mastercardの決済ネットワークがグローバルに広まり、より多くのトランザクションを処理していることを示しています。
付加価値サービスとソリューションの需要増
これらのサービスとソリューションの純収益は、通貨ニュートラルベースで16%増加しました。
この増加は主に、サイバーセキュリティやインテリジェンスソリューションの需要増加、詐欺とセキュリティソリューションへの高まる需要、そしてコンサルティングとマーケティングサービスへの強い需要によるものです。これは、Mastercardが市場の変化に迅速に対応し、それにより収益を増加させることができることを示しています。
より有利な市場環境
Mastercardの成功はまた、より広い市場環境にも依存しています。COVID-19パンデミック後の経済回復に伴い、消費者支出が増加しており、これがトランザクションボリュームの増加を後押ししています。また、デジタル決済への移行が進行中で、これはMastercardのようなデジタル決済ソリューションの提供者にとって大きな利点となります。
有利な税制度の変更
その他の収入(支出)は前年同期比で$268 million向上し、これは主に市場性証券の公正価値評価調整に関連する当期の純利益と前年の純損失によるものです。調整後のその他の収入(支出)は前年比で$29 million向上し、これは投資収入の増加が一因となっています。
まとめ
以上のとおり堅実なビジネスモデルと市場の動向を活用した結果でした!まだまだMastercardの未来は明るいと言えそうです!
デジタル決済の普及、サービスの多様化、そして堅固な顧客関係の構築が、同社の成長を支える要素として続くことでしょう。
しかしながら、投資家は常に企業の動向を注意深く観察し、各種リスク要因を評価する必要があります。Mastercardにとってのリスク要因は何でしょうか?
それは、競争の激化、規制の変化、そしてサイバーセキュリティの課題などが挙げられます。
マスターカードは、アップル同様にROEが174%とレバレッジを異常にきかせており、株主資本利益率が超絶高い数値となっております。
それだけビジネスに自信があり強固であると考えられ、投資家がしばらくは報われるとジャジーKは考えています。
ただ、株価は常に高いのでタイミングよく書いましていかないといけませんw
ではでは
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